2025/11/28

環境音

スマホで騒音を測る方法と限界|相談で損しない記録術

スマホで騒音を測る方法と限界|相談で損しない記録術

センタビ屋|防音吸音材、インテリア、建材

ご近所トラブルや上階からの足音など、「うるさい」と感じたときに、まず手元のスマホで騒音を測ってみたくなる人は多いと思います。ただし、スマホのアプリだけを頼りに強く主張してしまうと、管理会社や自治体との相談で「感情的なクレーム」と受け取られてしまうこともあります。

この記事では、スマホでできる騒音の測り方と、その限界を理解したうえで、相談や交渉で役立つ記録の残し方を整理します。後で専門機関に相談するときにも使えるよう、テンプレート的にまとめていきます。

騒音トラブルで知っておきたい基本と考え方

「うるさい」の感じ方には大きな個人差がある

同じ音でも、「全然気にならない」という人もいれば、「眠れないほどつらい」と感じる人もいます。疲れ具合や体調、時間帯、部屋の構造などによって、受け取り方が大きく変わるからです。

そのため、騒音トラブルでは「主観」だけをぶつけても話が進みにくく、「どんな音が、いつ、どのくらい続いているか」という事実を冷静に伝えることが重要になります。スマホでの計測は、その事実を整理するための補助ツール、と考えておくとイメージしやすいです。

スマホ計測はあくまで「目安の数字」

スマホのマイクは音声通話や動画撮影用に作られており、本格的な騒音計とは目的が異なります。高音や低音の拾い方も違えば、機種ごとに感度もばらばらです。そのため、表示されるデシベルの数字は「だいたいこのくらいの大きさ」という目安でしかありません。

後述しますが、相談や交渉で大事なのは「正確なデシベルを証明すること」ではなく、「生活に支障が出るレベルの音が、繰り返し続いていること」を示すことです。

スマホで騒音を測る基本ステップ

記録セット:スマホ+メモ

1. 記録テンプレを決めておく

アプリを立ち上げる前に、まずは次の項目をメモできるテンプレートを用意しておきましょう。メモ帳アプリでも紙のノートでもかまいません。

  • 日時(いつ、何時ごろ、どのくらい続いたか)
  • 場所(寝室、リビング、窓の近く、天井付近など)
  • 音の種類(足音、物を落とす音、テレビ、話し声など)
  • 自分への影響(眠れない、子どもが起きた、仕事に集中できないなど)

これらを毎回同じ形式で残しておくと、後で一覧にしたときに「どんなパターンで音が出ているか」が見えやすくなります。

2. スマホ騒音アプリで測る手順

アプリの名称やデザインは違っても、基本的な流れはどれも似ています。一般的な手順は次の通りです。

  1. 音がよく聞こえる場所で、スマホを机や棚の上などに静かに置く
  2. マイク部分を手や布でふさがないように注意する
  3. アプリを起動し、数十秒から数分程度、連続して測定する
  4. 最大値と平均値が分かる画面をスクリーンショットで保存する
  5. メモのテンプレとセットで、日付ごとにフォルダ分けして保管する

可能なら、静かな時間帯に「平常時の音」も同じ場所で測っておきましょう。相談の場では、絶対値よりも「普段よりどれくらい大きいか」が伝わる方が説得力があります。

3. 録音や動画も一緒に残す

スマホには録音機能や動画撮影機能もあります。音の種類やリズムを伝えるには、デシベルの数字よりも「実際の音」を聞いてもらう方が早いことも多いです。

ただし、撮影する際はプライバシーに十分配慮し、相手の顔や室内の様子がはっきり写り込まないように注意しましょう。

スマホ騒音アプリの限界と注意点

出来ることの限界を知る

専用騒音計と同じ精度にはならない

スマホの騒音アプリはあくまで簡易的なものです。機種によってマイクの性能が違い、ケースの有無や持ち方でも結果が変わることがあります。そのため、専用の騒音計と同じレベルの精度を期待することはできません。

相談の場で「アプリでは何デシベルだった」と強く主張してしまうと、「測り方が正確ではないのでは」と指摘され、話が本質からそれてしまう可能性があります。あくまで目安として扱い、「うるさいと感じる状態が続いている」という事実を補足する材料と考えましょう。

スマホ計測だけを証拠にしない

トラブルが深刻化した場合、最終的に自治体や専門家が正式な測定を行うこともあります。その際に重視されるのは、専門機器での測定結果や、長期的な記録です。

スマホの記録は、「いつ頃からどのような騒音が続いているか」を説明するためのメモや参考資料として役立ちますが、それだけで全てを証明しようとしない方が、安全です。

やってしまいがちなNG行動

  • 一度だけ計測して「基準値を超えているはずだ」と断定する
  • アプリの画面だけを相手に送りつけて強く非難する
  • 日時や場所の記録がないまま、「とにかくうるさい」とだけ主張する

こうした伝え方は、相手の防衛反応を強めたり、管理会社や自治体に「感情的なクレーム」と見なされたりしがちです。冷静に、情報を整理して共有する姿勢を大切にしましょう。

相談・交渉で役立つ記録の残し方

相談のときに役立つ記録項目一覧

管理会社や自治体、専門家に相談することを想定すると、次のような情報をセットで残しておくと話がスムーズです。

記録内容ポイント
日時2025年11月10日 23時15分から23時40分など頻度や継続性が見えやすくなる
場所寝室のベッド横、リビングの天井付近など音の経路や対策箇所を推測しやすい
音の種類足音、物を落とす音、低い振動音など防音や防振の方法を検討する手がかりになる
スマホの目安値最大〇デシベル、平均〇デシベル程度平常時との比較材料になる
録音や動画数十秒から数分の記録音の質感やリズムを共有できる
生活への影響眠れない、頭痛がするなど被害の深刻さを具体的に伝えられる

誰に、どの順番で相談するか

集合住宅の場合は、いきなり相手の部屋を訪ねるより、次の順番で相談する方が安全です。

  1. 管理会社や大家さんに、記録を添えて相談する
  2. 状況に応じて、町内会や自治会に相談する
  3. 自治体の相談窓口や、必要があれば法律相談につなぐ

このとき、スマホのスクリーンショットやメモを全て出す必要はありません。最初は代表的な数件だけを見せ、「こうした状態が続いているので困っている」という形で共有すると、冷静で誠実な印象になりやすくなります。

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騒音の「記録」と並行して、「そもそも音を減らす」ための知識も持っておくと安心です。センタビ屋ブログの中では、次の記事が特に関連が深いと考えられます。

まとめ

スマホの騒音アプリは、騒音トラブルの現状を整理するうえでとても便利ですが、専用の騒音計と同じ精度を期待することはできません。数字そのものよりも、「いつ、どこで、どんな音が、どのくらい続いていて、どのような影響が出ているか」を冷静に記録し、相談の場で共有することが大切です。スマホの計測結果は、正式な測定や防音対策につなげるための材料として上手に活用していきましょう。

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