2025/09/02
家電の音
ドラム式洗濯機と縦型洗濯機を賃貸で比較|騒音・振動・設置性

はじめに|賃貸で気になるのは「洗浄力」より先に「騒音・振動」
賃貸住宅で洗濯機を選ぶとき、多くの人が重視するのは「音」と「揺れ」です。構造や間取りによっては、脱水や乾燥時の振動が床や壁を伝わり、上下左右の部屋に響くことがあります。本記事では、ドラム式洗濯機と縦型洗濯機を賃貸目線で比較し、騒音・振動の傾向や、置き場・水道光熱・メンテ・価格まで失敗しないポイントを解説します。最後に、防音・防振の具体策とチェックリストも用意しました。
ドラム式洗濯機と縦型洗濯機の「賃貸比較」早見表
| 項目 | ドラム式洗濯機 | 縦型洗濯機 |
|---|---|---|
| 騒音 | 洗いは比較的静か。 脱水・乾燥時に高回転で音が増えやすい。 | 水流音と脱水音が中心。 乾燥機能なし/簡易乾燥は音少なめ。 |
| 振動 | 重量があり設置が適切なら安定。 ただし床が柔いと共振しやすい。 | 本体が軽く揺れが出やすい。 設置の水平取りで差が出る。 |
| 設置性 | 本体が大きく、 ドアや廊下・防水パンの寸法要確認。 | 本体はコンパクトで搬入しやすい。 |
| 乾燥 | ヒートポンプ等の本格乾燥で室内干し不要に。 | 基本は別乾燥機/室内干し。 |
| 水道光熱 | 少ない水量で洗えるが、 乾燥時に電気を多く使う。 | 洗いの水量は多め。 乾燥を使わなければ電気消費は少なめ。 |
| メンテ | 糸くず・乾燥フィルター清掃が必須。 パッキンのカビ対策が重要。 | シンプルで手入れ容易。 槽洗浄でニオイ対策。 |
| 価格 | 高価格帯が中心。 | 比較的リーズナブル。 |

騒音・振動の仕組みを理解する|「伝わる道」を断つのがコツ

騒音:空気を震わせる音
モーター音・風切り音・水流音などが空気中を伝わり耳に届くのが騒音です。ドラム式は洗い/すすぎ時は静かな傾向ですが、脱水や乾燥の回転数が上がる場面では高めの音が出やすく、扉や換気口などのすき間から漏れると体感が増します。
振動:建物を震わせる揺れ
脱水時の遠心力で本体が揺れると、床→防水パン→躯体→隣室へと伝わります。軽い本体は揺れやすく、柔い床は共振しやすいのが基本。賃貸では「床面の強度・水平・すき間」の3要素が効きます。
賃貸でのタイプ別「向き・不向き」
ドラム式が向く人
- 夜間〜朝方に洗濯〜乾燥まで一気に済ませたい
- 室内干しのスペースや時間を減らしたい
- 本体搬入・設置の寸法と耐荷重がクリアできる
ドラム式が不向きなケース
- 防水パンが小さい/前扉の開閉スペースが取れない
- 築年数が古く床がたわみやすい(共振しやすい)
- 上階・隣室への伝搬音クレームが心配で、乾燥は使わない予定
縦型が向く人
- 価格を抑えつつ音・振動リスクも抑えたい
- シンプル構造でメンテ負担を少なくしたい
- 狭い搬入経路や小さめ防水パンしかない
縦型が不向きなケース
- 室内干しが常態で乾燥ニーズが高い
- 洗濯頻度が多く、干す/取り込む手間を減らしたい
設置チェックリスト|賃貸なら「寸法・水平・緩衝」
1)寸法を当てる(搬入・設置)
- 玄関・廊下・ドアの幅高さ:最小通過幅をメジャーで実測
- 防水パン:内寸(幅×奥行)、縁の立ち上がり、排水口位置
- 前面スペース:ドラム式は扉全開+人1人分の通路
- 蛇口・コンセント位置:ホースやコードに無理がないか
2)水平を出す(振動の元を断つ)
- 本体脚のアジャスターで四隅のガタをゼロに
- 防水パンと本体底面に段差がある場合は専用台で調整
- 重いドラム式は「面」で支える:脚だけでなく台座やボード併用
3)緩衝させる(防振・防音)
- 防振ゴム・防振マットで点荷重→面荷重化
- 本体と壁の距離を確保(最低数cm)。配管や巾木に接触させない
- 扉・換気口・コンセントのすき間をテープ等で気密化
夜間運転のマナーとテクニック
静かに使うための基本
- 洗濯物を片寄らせない(片寄りは振動の最大要因)
- 脱水・乾燥の回転数(静音モード)が選べる場合は控えめに
- 運転タイマーで在宅時間に終了するよう設定(深夜の連続乾燥は避ける)
- 洗剤や柔軟剤の入れすぎは泡立ち→脱水不良→振動増の原因に
トラブルを未然に防ぐ
- 初回設置時に全自動で試運転し、異音・ガタをチェック
- 賃貸契約の「騒音に関する条項」を確認し、必要なら管理会社へ事前相談
- クレームが来たら、まず運転時間帯とモードを見直し、防振材を追加
タイプ別おすすめの使い分け戦略
ドラム式を選ぶなら
乾燥まで使い切って「干さない生活」を実現するのが価値。フィルター清掃やパッキン乾燥(扉を開けておく)を習慣化し、月1回の槽洗浄でニオイを予防。振動が気になる床には、防振台+厚手のマットで二重化し、ホースが壁や家具に触れていないかも確認しましょう。
縦型を選ぶなら
水量が確保できるのでガンコ汚れやつけ置き洗い向き。乾燥は別途衣類乾燥機や浴室乾燥、サーキュレーター併用で効率化。音を抑えるなら脱水回転数を少し落とし、毛布などの大物は少量運転で片寄り防止を。
よくあるQ&A
Q. ドラム式は必ずうるさい?
A. 本体の個体差や床条件で体感は変わります。設置が正しく、床がしっかりしていれば静かに使えるケースも多いです。逆に床がたわむ・水平が出ていない・本体が壁や家具に触れていると、どの機種でも響きます。
Q. 防水パンが小さいけどドラム式は置ける?
A. 外形寸法・扉開閉スペース・重量・耐荷重・排水位置を総合で確認。難しい場合は縦型が現実的です。無理設置は故障や水漏れリスクにつながります。
Q. 下の階へ「ドスン」と響く?
A. 低音の衝撃音は「重量×クッション」で対策。防振ゴムだけでなく、厚手ボードや専用台で面支持化し、脚の締め込みでガタをなくしましょう。洗濯物の片寄りも要見直しです。
購入前の最終チェックリスト(コピーして使える)
- 搬入経路(玄関・廊下・ドア)最小幅:__ cm
- 防水パン内寸:幅__ × 奥行__ mm/排水口位置:__
- 前面クリアランス(ドラム式のみ):扉全開+人の通路確保
- 床の強度・水平:ガタなし/アジャスター固定
- 本体と壁の離隔:__ cm/配管・巾木に非接触
- 防振材:ゴム or マット or 台座(いずれか/併用)
- 運転時間帯:__ 時〜 __ 時(静音モード)
- メンテ:フィルター清掃/槽洗浄の頻度を決める
内部リンク
まとめ
賃貸での洗濯機選びは、まず「騒音・振動の伝わり方」を理解し、寸法・水平・緩衝を徹底すればトラブルは大きく減らせます。乾燥まで任せたいならドラム式、価格や設置の自由度を優先するなら縦型。自宅の床条件と生活リズムから逆算し、夜間運転のマナーとメンテ習慣をセットにして選びましょう。
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