2026/02/09
住環境・環境音
在宅ワークの声モレはここから漏れる|オンライン会議の防音チェックリスト

なぜオンライン会議は「声モレ」しやすいのか
在宅ワークのオンライン会議は、仕事の内容そのものより「声モレが不安」「隣に筒抜けかも」というストレスが大きくなりがちです。原因はシンプルで、声は“空気の振動”なので、通り道があれば外へ抜け、部屋の中では硬い面で反射してマイクにも回り込みます。
つまり対策は2本立てです。
- 遮音(しゃおん):外へ漏れる通り道(すき間・薄い面)を減らす
- 吸音(きゅうおん):部屋の中の反射(響き)を減らし、会議音声をクリアにする
「防音=分厚い工事」ではありません。オンライン会議はまず“漏れ道の特定”と“優先順位”が勝ちです。ここからは、家のどこから声が漏れるのかを、チェックリスト形式で潰していきます。
声モレの出口トップ5|ここから漏れる(優先順位つき)
1)ドアのすき間(戸当たり・下のすき間)
声モレの最頻出がドアです。壁はそれなりに重くても、ドア周りは「すき間+軽い板」で音が抜けやすい構造。特に廊下に面した部屋は、廊下が“音の通路”になって家中へ広がります。

- ドアを閉めた状態で、四辺に光が見えるなら漏れやすい
- ドア下が空いている家は、下のすき間から出やすい
- ドア自体が軽い(薄い)ほど、板が振動して音が出る
2)窓(サッシの気密・ガラス面)
窓は外へ直結している上に、サッシのわずかなすき間で性能が落ちます。さらにガラスは面として振動しやすく、カーテンが薄いと“反射+透過”で声が抜けます。外騒音が入りやすい窓は、逆に内側の声も出やすいと考えると分かりやすいです。
3)換気口・通気口(24時間換気)
意外な盲点が換気口。ここは空気が通る=音も通りやすい場所です。部屋の外(共用廊下側・隣室側)に向いた換気口は特に注意。閉められるタイプでも、完全密閉にはなりません。
4)壁・コンセント周り(薄い壁/貫通部)
壁そのものが薄い(軽量間仕切り)場合、声の帯域が隣室へ伝わります。加えて、コンセント・配線の貫通部は局所的な弱点になりやすいです。
5)床・天井(構造伝播/反射)
声そのものは主に空気伝播ですが、椅子の振動や机の叩き音が乗ると、床・天井経由で“別の音”として迷惑になりがち。会議中の貧乏ゆすり、キャスター椅子のゴロゴロ音も要注意です。
オンライン会議の防音チェックリスト|15分で診断→優先順位が決まる
STEP1:まず「漏れ道」を見つける(スマホでOK)
- 会議で使う“いつもの声量”で、30秒ほど話す(台本は不要)
- スマホを録音状態にして、部屋の外(廊下)→窓の外側→隣室側の壁付近の順に近づける
- どこで一番クリアに聞こえるかをメモする
一番聞こえる場所=最優先で塞ぐ場所です。体感でOKなので、完璧な測定は不要。とにかく“出口”を特定します。
STEP2:場所別チェック(該当が多いほど声モレしやすい)
ドア周り(最優先)
- ドア四辺のどこかに光が見える
- ドア下に指が入るほどのすき間がある
- ドアが軽く、ノックすると「ポコポコ」鳴る
- ドアの向こうが廊下・リビングで音が回りやすい
窓・カーテン
- サッシが古く、閉めてもガタつく
- カーテンが薄手/丈が短い
- 窓際に机があり、口と窓が近い
- 外の音(車・人の声)が入りやすい
換気口・通気口
- 換気口がデスクの近くにある
- 換気口の前に何もなく“素通し”状態
- 風が通る=音も抜ける感覚がある
壁・反響(吸音の観点)
- 声が部屋で響く/手を叩くと残響が長い
- デスク正面・左右・背面が硬い壁で囲まれている
- マイクが自分の声を「部屋の響き込み」で拾う
床・机・椅子
- キャスター椅子で床が硬い(フローリング直)
- 机が薄く、叩くと響く
- キーボード打鍵音・マウス音が大きい
STEP3:優先順位の決め方(迷ったらこれ)
オンライン会議の声モレ対策は、基本的にこの順で効率が良いです。
- すき間(ドア・窓)を塞ぐ:小コストで体感が出やすい
- 部屋の響きを吸音で減らす:声量を下げても聞き取りやすくなる
- 薄い面を“重く・二重に”する:余力があれば段階的に
漏れる場所別|今日からできる防音・吸音の対策集

ドアの対策(遮音:すき間を埋める+面のビリつきを抑える)
- すき間テープ(戸当たり):四辺を“連続”で貼る。角で途切れさせない
- ドア下:ドア下ブラシ・すき間ガードで下の通り道をカット
- ドア面:軽いドアは「板鳴き」しやすいので、布・フェルト・簡易マットで振動と反射を減らす
ポイントは気密(密閉度)です。音は空気が通れるところを通ります。すき間対策は“最短で効く”王道です(賃貸なら剥がせるタイプを選ぶと安心)。
窓の対策(遮音+吸音:気密アップ&反射を減らす)
- サッシのすき間:パッキン劣化や召し合わせのゆるみを確認し、必要ならすき間テープで補強
- カーテン:厚手+丈は床近くまで。ヒダ(ゆとり)を増やして空気層を作る
- 机の配置:可能なら口と窓の距離を離す(“音源を窓に近づけない”)
窓の遮音性能は等級で整理され、一般にサッシ・ドアセットの遮音性能値(dB)で考えることが多いです。窓は「性能」以前に、まず気密が崩れると一気に不利になります。
換気口の対策(音の通り道を“直進させない”)
- デスク位置をずらす:換気口の正面に口が来ないようにする
- 前に吸音体を置く:本棚・厚手カーテン・吸音パネルなどで“直線の音道”を避ける
- 換気は止めない:24時間換気は住環境の要。無理な目張りは結露・カビのリスクがあるので注意
壁の対策(吸音:反射を減らして“声量を下げる”)
会議の声モレで意外に効くのが吸音です。部屋の反射が減ると、同じ内容でも声量を下げられ、結果的に外へ出る音も減ります。テレワークの“声が響く”悩みは、まず壁1面を連続的に吸音するのが即効、という考え方が整理されています。
- 最優先:デスク正面の壁(モニターの向こう側)。ここで初期反射を止める
- 次点:左右の壁(片側だけでも効果が出やすい)
- 余力:背面の壁(全体の響きをさらに減らす)
吸音材は点で貼るより、面積と連続性が大事。薄い小片を点在させるより、ある程度まとまった面で“反射の強い場所”を覆う方が効きます。
床・机・椅子の対策(防振:会議中の“別音”を消す)
- 床:ジョイントマット+ラグで二重クッション
- 椅子:脚フェルト、キャスターはラバー系へ(可能なら)
- 机:デスクマットで硬反射と打鍵音を軽減
声モレ対策のつもりが、実は「ゴロゴロ音」「ドン音」が原因で苦情…はよくあります。会議は一定時間続くので、こうした細音のストレスも減らすと安心です。
対策の比較表|低コストから段階的に効かせる
| 対策 | 狙い | 効きやすい場所 | 難易度 | 失敗しがちな点 |
|---|---|---|---|---|
| すき間テープ | 遮音(気密) | ドア四辺・窓サッシ | 低 | 厚すぎて開閉に干渉/角で途切れて連続性がない |
| ドア下すき間ガード | 遮音(気密) | 廊下に面した部屋 | 低〜中 | 床に擦れて音が出る/換気・空調の流れを阻害 |
| 厚手カーテン(丈長め) | 遮音+吸音 | 窓 | 低 | 丈が短い/ヒダが少なく空気層が作れない |
| 壁1面の吸音(連続面) | 吸音(反射減) | デスク正面→左右 | 中 | 小片を点貼り/位置がズレて一次反射を外す |
| 床の二重クッション | 防振 | 床・机・椅子 | 低 | 継ぎ目がズレる/椅子だけ対策して床が裸 |
最低ラインの「会議前チェック」テンプレ(コピペ用)
- ドア四辺と下のすき間を塞いだ
- 窓のサッシがきちんと閉まっている(ロック確認)
- カーテンを閉め、窓際の反射面を減らした
- マイク正面の壁(または背面)に吸音面がある
- 床・椅子・机のガタつき音が出ない
賃貸でやるなら「原状回復」も同時に守る
在宅ワークの防音は、賃貸だと“やり過ぎ”が退去トラブルの火種になります。基本は、置き敷き・突っ張り・剥がせる固定など可逆な方法で組み、記録(写真)を残すのが安心です。賃貸DIYの線引きや注意点は、原状回復の観点で整理しておくと失敗しにくいです。
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まとめ
在宅ワークの声モレは「ドア・窓・換気口」の“空気が通る場所”が主な出口です。まずスマホで漏れポイントを特定し、すき間の気密化(遮音)を最優先で実施。次にデスク正面の壁1面を中心に吸音して反射を減らすと、声量を下げられて会議音声もクリアになります。賃貸は剥がせる施工で原状回復も意識しましょう。
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