2025/11/26

環境音

猫の爪とぎ音とケージ音を静かに|床・壁のやさしい防音対策

猫の爪とぎ音とケージ音を静かに|床・壁のやさしい防音対策

センタビ屋|防音吸音材、インテリア、建材

猫の爪とぎ音・ケージ音が気になるのはなぜ?

猫と暮らしていると「ガリガリ…」「ガタンッ」という音にヒヤッとする瞬間があります。特に賃貸や集合住宅では、爪とぎ音やケージのガタガタが下階・隣室に響いていないか心配になりますよね。

ただし、爪とぎは<爪のお手入れ・気分転換・マーキング>など、猫にとって欠かせない本能的な行動です。完全に止めさせようとすると、むしろストレスや問題行動につながる可能性もあります。

一方で、人間側から見ると、

  • 壁・柱での爪とぎ→「ガリガリ」という高めの連続音
  • ケージの柵を揺らす→金属音+床に伝わる「ドン」という衝撃音
  • ケージ内でのジャンプ→床を通じて響く「ドスン」という重量音

と、いずれも“振動”が床や壁を通じて伝わりやすい音です。特に足音や物の落下音などの衝撃音は、空気中を伝わる音よりも階下に響きやすいことが知られています。

そこで本記事では、猫の健康や行動を尊重しながら、床や壁・ケージまわりをやさしく静音化する方法を、できるだけ「貼らない・壊さない」賃貸向きの視点で整理します。

まず知っておきたい「音」と「防音」の基本

効きやすい対策を選ぶには、「どんな音を、何で止めるのか」をざっくり知っておくと失敗しにくくなります。

音のタイプと、効きやすい対策

  • 空気を伝わる音(鳴き声・金属音など)→主役は「遮音+吸音」
  • 物を叩いたときの音(足音・ケージの揺れなど)→「遮音+防振(クッション)」が効きやすい

ここで登場するのが、

  • 遮音:音を通りにくくする“重さのある層”(遮音シートなど)
  • 吸音:反射音・響きを減らす“フカフカ層”(吸音パネル・ウレタン等)
  • 防振:振動を和らげる“クッション層”(ゴムマット・コルクなど)

といった役割の違う材料たちです。

猫の爪とぎ音・ケージ音の場合は、

  • 床に伝わる「ドン」「ガタン」を減らす → クッション性の高いマットやラグ(防振+遮音)
  • 壁・ケージの金属音を和らげる → ケージと壁の間にフェルト等を挟む(防振)、一部を布・吸音材で覆う(吸音)

といったイメージで組み合わせると、無理なく静かさを底上げできます。

床にやさしい「静音」対策アイデア

ネコの飼育環境(防音編)

① 爪とぎ・ケージの下に防音ラグやマットを敷く

もっとも手軽で効果も体感しやすいのが、「下に敷く」工夫です。猫の足音やケージの振動対策としても、防音ラグや低反発ラグなどは有効とされています。

おすすめの基本構成は、

  • (床)→滑り止めシート→防振マット(EVA・ゴム・コルクなど)→厚手ラグ or カーペット→爪とぎ or ケージ

という多層構造です。下に行くほど固く・上に行くほど柔らかい素材を重ねると、衝撃をうまく受け止めてくれます。

注意点としては、

  • フローリングのワックス・塗装と相性の悪いゴム系は、長期敷きっぱなしで変色する場合がある
  • 賃貸の場合は「床暖房対応」「フローリング可」など表示を確認し、目立たない場所で試してから使う

といった点を押さえておくと安心です。

② ジョイントマット・コルクマットを「ケージ専用ゾーン」に

カラフルなジョイントマットやコルクマットも、厚みのあるタイプを選べば立派な防振材になります。特にケージ用に一角を“厚めゾーン”にするのがおすすめです。

  • ケージ下にだけ、ジョイントマットを2枚重ねにする
  • マットの下に、薄い遮音シートやゴムシートをプラスする

といった「集中的な厚盛り」で、ドスンとした音をかなりマイルドにできます。

ただし、かじり癖の強い猫さんだとジョイントマットの端をかじってしまうことがあります。飲み込みが心配な場合は、端を家具で隠す・布でくるむ・かじりにくいコルクマットに変えるなど、安全面にも配慮しましょう。

③ 爪切りと遊びで「ドタバタ」を根本から軽くする

防音材とあわせて、生活習慣の見直しも意外と効きます。

  • 定期的な爪切り:引っかかる音が軽くなり、家具へのダメージも減少
  • 寝る前にしっかり遊ぶ:夜間の大運動会が落ち着きやすい
  • 上下運動できる家具を分散:一か所に着地衝撃が集中しない

「静かにさせる」というより、「遊びも運動も満たした結果として落ち着く」イメージで整えると、猫にも人にもストレスが少なくて済みます。

壁・柱・ケージまわりの静音&キズ防止テク

① 壁には「貼るタイプの爪とぎ」+保護シート

壁や柱でのガリガリ音が気になる場合は、音とキズを同時にケアできるアイテムを選びましょう。

  • 壁紙保護シート+布・カーペット調の爪とぎマット
  • 柱用の巻き付けタイプの麻マット
  • ソファアームにかける爪とぎカバー

などは、壁そのものを削らずに、少し柔らかい面で爪を受け止めてくれるので、「ガリッ」という高い音をマイルドにしてくれます。

賃貸で剥がす前提なら、

  • 粘着力弱めのマスキングテープ+養生テープで下地を作り、その上に爪とぎマットを固定

といった二重貼りにすると、原状回復も安心です。

② ケージのガタガタ音を抑えるポイント

ケージ音の多くは「床と接する脚」「壁と接触する面」「金属パネルのビビり」で発生します。対策の優先順位は次の通りです。

  • ケージの脚の下に、防振ゴムやフェルト・コルクをかませる
  • ケージと壁の間に、家具用フェルトやタオルを挟んで“直当たり”を防ぐ
  • 猫がよく飛び乗る棚板の下に薄いマットを貼る

さらに、鳴き声や金属音を少し和らげたい場合は、ケージの一部を防音シートや厚手の布で覆う方法もあります。ペット用の防音シートは、ケージを覆って鳴き声を軽減する用途で紹介されているものもあり、猫にとっての安心感アップにもつながるとされています。

ただし、

  • 全面を覆ってしまい「風通しが悪くなる」「夏場に熱がこもる」状態は絶対に避ける
  • 火気の近くでは燃えやすい布・発泡材を使わない
  • かじって飲み込みそうな素材は猫の届かない位置に

といった安全面のチェックは必須です。

③ 防音シート・吸音材を使うときの注意点

本格的な防音アイテムとして、遮音シートや吸音パネルを使う手もあります。遮音シートは重さで音を通しにくくし、吸音パネルは室内の響きを抑える役割を持っています。

猫まわりで使うときは、

  • 厚く重い遮音シートは「壁の外周」や「ケージの背面」など、猫が直接触れにくい所に
  • 表面に布が貼られた吸音パネルは、猫が登らない高さ・届かない位置に
  • ホコリ・毛が付きやすい素材は、掃除しやすいレイアウトに

といったルールで、負担なく取り入れていきましょう。

猫のストレスを増やさない“静かな家”づくり

音の対策をしつつも、「猫が安心して思い切り爪とぎできる場所」をしっかり用意することが大切です。爪とぎには縄張りアピールや気分転換といった意味もあり、猫は玄関まわりや窓辺、部屋の境界など“マーキングしたくなる場所”で爪をとぎたくなる傾向があります。

そこでおすすめなのが、

  • 猫がよく通る動線・お気に入りスポットに、縦型・横型の爪とぎを複数設置
  • 「ここで爪とぎしてほしい場所」に、特に好みそうな素材(段ボール・麻・カーペットなど)を置く
  • 使ってほしい爪とぎで遊んであげる・おやつをあげるなど、良いイメージを上書きする

といった「OKな場所を増やす」工夫です。

逆に、壁や柱で爪とぎした瞬間に大声で叱ったり、ケージを強く揺らして驚かせるのは逆効果になりがちです。音への不安・ストレスが高まると、鳴き声や問題行動が悪化する恐れもあります。猫が安心できる環境を整えつつ、静音アイテムで人側のストレスも減らしていきましょう。

もっと防音を深く知りたいときの参考記事

より本格的に「家全体の防音」を考えたい場合は、以下の記事もあわせて読んでおくと、材料選びや仕組みの理解がスムーズになります。

まとめ

猫の爪とぎ音・ケージ音は、止めるのではなく「静かに受け止める」発想に切り替えると、猫の健康も人の暮らしも守りやすくなります。床にはクッション性の高いラグやマット、壁やケージまわりにはフェルトや布・防音シートを組み合わせ、猫が安心して爪とぎできる場所を増やしてあげましょう。静音対策と環境づくりを並行して進めることで、近隣への配慮と猫のごきげんを両立できます。

センタビ屋|防音吸音材、インテリア、建材