2026/01/02
住環境・家電の音
2026年エアコン高くなる?法改正の影響

「2026年はエアコンが高くなる」と聞くと不安になりますが、結論から言うと“必ず一律で値上げ”という話ではありません。とはいえ、制度の節目が重なるタイミングなので、モデル切り替え・工事の混み具合・在庫状況によっては「買いにくい年」になり得ます。
この記事では、2026年前後に意識しておきたい法改正・制度変更のポイントと、買い替え時のチェック項目を整理します。さらに見落としがちな「運転音・室外機の騒音」まで、防音・吸音の観点も交えて対策します。
2026年に「高くなる」と言われる理由
理由1:省エネ基準の切り替え前後で“新旧モデル”が入れ替わる
家庭用エアコンは、省エネ法(トップランナー制度)の枠組みでエネルギー効率の基準(APFなど)が区分ごとに定められています。資源エネルギー庁の情報では、家庭用の壁掛け形などは「2026年度までの基準」と「2027年度以降の基準」が整理されており、2026年度は“現行基準の区切り”に当たります。
この手の切り替え期は、メーカー側が新基準に合わせた設計・部品構成・制御(省エネ運転の最適化)へ移行していくため、上位機種(高効率・快適性重視)が先に更新されやすいのが特徴です。その結果、店頭では「新型は高め」「旧型(型落ち)は安め」という価格の二極化が起きやすくなります。
理由2:冷媒(フロン)規制の流れで、業務用・大型機の更新コストが動きやすい
家庭用ルームエアコンはすでに低GWP冷媒(例:R32等)への移行が進んでいますが、業務用やビル用マルチなどは目標年度が2025年・2027年などに設定されている区分があります。経済産業省は「指定製品制度」として、対象製品ごとに目標値(GWP)と目標年度を示しています。
また、業界資料でも、ビル用マルチ等で低GWP(GWP750以下)への移行を進める流れが整理されています。こうした移行期は、機器価格だけでなく、更新時の設計・安全対策・施工条件によって総額が変動しやすく、「2026年頃に更新したら思ったより高い」という体験につながりがちです。
理由3:住宅・建築の省エネ義務化で“高効率エアコン需要”が増えやすい
国土交通省の資料では、建築物省エネ法の流れとして「原則全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付け」というスケジュールが示されています。これにより新築・建替え・大きめのリフォーム市場で、省エネ性能を満たす設備(高効率エアコン等)の需要が増える局面があり、繁忙期の工事費・納期にも影響が出やすくなります。
関係する法改正・制度をやさしく整理
省エネ法(トップランナー制度):2026年度まで/2027年度以降の基準
ポイントは「2026年度がひとつの区切りで、2027年度以降に適用される基準が別立てで示されている」ことです。2026年に買うエアコンが“すぐ使えなくなる”わけではありませんが、メーカーの新モデル投入のタイミングや、旧モデル在庫の動き方に影響します。
フロン排出抑制法(指定製品制度):低GWP化の目標年度が製品ごとに違う
経済産業省は、フロン排出抑制法に基づく指定製品制度として、家庭用・業務用・ビル用マルチなど区分ごとに「目標値(GWP)」と「目標年度」を整理しています。ここで大事なのは、家庭用よりも業務用・大型機のほうが切り替えの影響を受けやすいケースがある点です。
なお、フロン排出抑制法のポータルでは、制度全体(点検・回収・報告など)に関する情報がまとまっています。
建築物省エネ法:新築の省エネ適合が“当たり前”に近づく
建築側の省エネ基準が底上げされると、同じ間取りでも「必要な冷房能力の考え方」「断熱・気密とのセット提案」「換気と空調の計画」まで含めて、設備選定がより重要になります。国交省のスケジュール資料にある通り、新築での省エネ基準適合の義務化が示されています。
2026年、エアコン価格はどれくらい上がる?
“一律いくら上がる”は断言できない(条件で動く)
法改正や制度変更がある年でも、価格が決まる要因は複合的です。代表的には、(1)新旧モデルの入れ替え、(2)在庫量、(3)需要の山(猛暑・引越し・新築着工)、(4)工事の混雑、(5)部材・物流コストなどが絡みます。
そのため2026年は、同じ「6畳用」でも、買う時期・選ぶグレード・設置条件で“体感価格”が大きく変わります。
値上がりしやすいパターン
- 新基準を見据えた最新モデル(高効率・高付加価値)を狙う
- 業務用・ビル用マルチ等で低GWP冷媒対応への更新が重なる(製品区分の目標年度が近い)
- 繁忙期(夏前〜真夏)に、標準工事を超える条件(隠蔽配管・高所設置・専用回路増設など)が重なる
逆に安く買える可能性があるパターン
- 型落ち在庫が多いタイミングに、必要十分な機能で割り切る
- 工事が落ち着く時期(地域差あり)に前倒しで取り付ける
- 「省エネ性能」と「静音性」を満たす中位機種に寄せる(最上位は価格が動きやすい)
新旧モデルの考え方(ざっくり比較)
| 観点 | 旧モデル(在庫・型落ち) | 新モデル(新基準を意識) |
|---|---|---|
| 本体価格 | 下がりやすい(在庫次第) | 下がりにくい(発売直後は特に) |
| 電気代 | 十分省エネでも差は出る | 高効率寄りになりやすい(区分・グレード次第) |
| 快適性 | 必要十分な機能が多い | センサー・気流制御などが強化されがち |
| 静音性 | 機種差が大きい(要確認) | 静音運転の作り込みが進む一方、室外機が大型化する例も |
| おすすめ | 初期費用を抑えたい/早めに確保したい人 | 電気代・快適性・長期使用を重視する人 |
2026年の買い替えで失敗しないチェックリスト
1)省エネ性能は「統一省エネラベル」で比較する
店頭やECで見比べるときは、統一省エネラベルが便利です。資源エネルギー庁は、従来の「達成率ベースの★」から、機器や区分が違っても比較しやすいように「省エネ性能そのもの」を基準にした多段階評価点(41段階)へ見える化した、と説明しています。
- 年間消費電力量(kWh/年):ランニングコストの目安
- 省エネ性マーク・省エネ基準達成率:同条件比較の指標
- 多段階評価点(★):市場内での相対的な省エネ度合い
2)工事費が増えやすい条件を先に洗い出す
- 隠蔽配管(壁・天井内を通っている)
- 室外機の置き場が特殊(屋根置き・壁面・二段置き・吊り下げ)
- 専用回路がない/電圧切替が必要
- 配管延長が長い・穴あけ不可など制約がある
「本体が安い=総額も安い」ではないので、見積もり時は“標準工事の範囲”を必ず確認しましょう。
3)補助金・キャンペーンは「ある前提」ではなく「見つけたら使う」
省エネ家電の補助やポイント還元は、国・自治体・電力会社などで行われることがありますが、年度・地域で条件が変わります。買う前に、自治体公式サイトや家電量販店の告知で最新条件を確認するのが安全です。
見落としがちな「音」問題:防音・吸音まで含めて快適にする
エアコンの音は大きく3系統(空気音・振動音・伝搬音)
- 空気音:風切り音、吹き出し音、ファンの回転音
- 振動音:室外機・配管・架台がブルブル震えて発生
- 伝搬音:壁・床・配管・ダクトを通って別の場所で大きく聞こえる
特に「低いゴー音」「隣室に響く感じ」は、振動や伝搬が絡むことが多く、防音(遮音)だけでなく“防振”が効きます。

室外機の騒音・振動を抑える(防振が最優先)
- 室外機の脚に防振ゴム・防振パッドを入れる(振動の床・壁への伝達を減らす)
- ガタつき(水平・固定)を解消する:ビリつき音の原因になりやすい
- 壁面置き・吊り下げは共振しやすいので、金具側の防振も検討する
遮音板で囲いたくなりますが、囲いすぎは排熱を妨げて効率低下や故障リスクになります。静かにしたいほど「通気を殺さず、防振で止める」が基本です。
室内の「風切り音」「響き」は吸音で体感が変わる
エアコン自体が静かでも、部屋が“響く箱”だと運転音が耳につきやすくなります。ここで効くのが吸音です。吸音は音漏れを止めるものではありませんが、反射を抑えて「うるさく感じる」を減らせます。
- 硬い壁が多い部屋:吸音パネルや厚手カーテンで反射を抑える
- 吹き出しの直線上:風が当たり続けると風切り音が強くなるので、風向き・風量設定も調整
「ゴー音」「ボー音」はダクト・配管の伝搬が原因のことも
集合住宅では、パイプスペース(PS)やダクトが“音の通り道”になるケースがあります。こうした場合は、発生源を止めるより「巻く(制振・遮音)」「塞ぐ(すき間の気密)」「浮かせる(防振)」の発想が有効です。

まとめ
2026年にエアコンが高くなるかは一律ではありませんが、省エネ基準の切り替え(2026年度まで/2027年度以降)や低GWP冷媒への移行、建築の省エネ義務化などで、モデル更新と需要が動きやすい時期です。買うなら省エネラベルで性能を比較し、工事条件も含めた総額で判断を。さらに室外機の防振と室内の吸音を組み合わせると、価格だけでなく「静かさ」まで満足度が上がります。
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