2025/12/15
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東京23区で住みたい街10選|防音も解説

東京23区で「住みたい街」を選ぶ前に知っておきたいこと
同じ東京23区でも、「住みたい街ランキング」で名前が挙がりやすいエリアには共通点があります。大きく分けると、①都心へのアクセスが良い、②買い物・飲食店が充実、③治安や街並みの安心感がある、の3つです。2025年公開の複数の調査でも、中野区・世田谷区・杉並区・文京区などが「住みやすさ」や「住みたい街」として上位に入っています。
ただし、人気エリアほど、「人が集まる=騒音も増えやすい」という側面も無視できません。環境省の騒音に関する環境基準では、住宅地の屋外で昼間55dB以下・夜間45dB以下が望ましい目安とされていますが、幹線道路沿いでは60〜70dBまで許容されるなど、エリアによって基準値が変わります。
つまり、同じ「人気の街」でも、駅前・幹線道路沿い・商業地と、一本路地を入った住宅街では、体感の静かさがまったく違います。本記事では、東京在住者へのアンケートで選ばれた「住みたい街ランキング」を軸に、23区内の人気エリア10選を紹介しながら、「防音・吸音」の観点での注意点もあわせて解説します。
東京23区で住みたい人気の街10選(エリア別の特徴と防音ポイント)
ここで紹介する10の街は、2025年の「東京住みたい街ランキングBEST10」から、23区内の駅を中心にピックアップしています。

| 街・駅 | 主な区 | 雰囲気・特徴 | 家賃感 | 静かさ・騒音の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 中野 | 中野区 | 再開発が進むカルチャーの街 | 中〜やや高め | 駅近は賑やか、住宅街は比較的静か |
| 高円寺 | 杉並区 | 商店街とサブカルが共存 | やや手ごろ | 商店街沿いは深夜も人通りあり |
| 中目黒 | 目黒区 | カフェ・ショップが多いオシャレエリア | 高め | 駅周辺は人も車も多め |
| 三軒茶屋 | 世田谷区 | 飲食店と住宅街が混在 | 中〜やや高め | 246沿いは交通騒音が強い |
| 北千住 | 足立区 | ターミナル駅+下町商店街 | 中〜やや安め | 線路・飲み屋街周辺は騒がしい |
| 恵比寿 | 渋谷区 | グルメとオフィスの人気エリア | 高め | 駅近は夜も人が多い |
| 赤羽 | 北区 | 庶民的な飲み屋街と住宅街 | 比較的手ごろ | 東口飲み屋街は賑やか、西側住宅街は静か |
| 下北沢 | 世田谷区 | 古着とライブハウスの街 | 中〜やや高め | ライブハウス周辺は音楽・人の声あり |
| 豊洲 | 江東区 | タワマンと湾岸景観の新興エリア | 高め | 幹線道路・工事音に注意 |
| 阿佐ヶ谷 | 杉並区 | 落ち着いた商店街と住宅街 | やや手ごろ | 中央線沿い以外は比較的静か |
1. 中野(中野区)|再開発+カルチャーで人気急上昇
中野は、2025年の「東京住みたい街ランキング」で1位に選ばれたエリア。大型商店街「サンモール」や「中野ブロードウェイ」に加え、駅周辺の再開発でオフィス・公園・住宅が一体になった新しい街並みが広がっています。
中野に向いている人
- 新宿・東京方面へ電車1本で通勤・通学したい人
- 商店街や飲食店が豊富な街で暮らしたい人
- カルチャー・サブカル・イベントが好きな人
防音・静かさのポイント
- 駅北口の商店街周辺は深夜まで人通りと店舗の音が続きやすいので、静かさ重視なら南口側・線路から離れたエリアを候補に。
- 幹線道路(早稲田通り・山手通り)沿いは、窓を開けると交通騒音が入りやすいので、二重サッシや防音サッシの有無をチェック。
- 楽器演奏や配信をするなら、RC造のマンション+壁厚めの中部屋を選び、入居後は吸音パネルや厚手のカーテンで室内の響きを抑えると安心です。
2. 高円寺(杉並区)|商店街とサブカルの街
高円寺は、古着屋・ライブハウス・個性的な飲食店が密集する「サブカルの聖地」として知られつつ、複数の商店街で日常の買い物もしやすい街です。中央線で新宿まで約5分とアクセスも良好。
高円寺で気をつけたい騒音
- 商店街やライブハウス周辺は、夜遅くまで話し声・音楽などの生活騒音が続きがち。
- 線路沿いは電車通過音+踏切音で、窓を開けるとテレビの音量を上げざるを得ないケースも。
防音視点での物件選び
- 「駅徒歩5分以内」だけでなく、通りの種類(大通りか住宅街か)も必ず現地でチェック。
- 1階の飲食店の上階は、ダクト音や深夜の片付け音が聞こえやすいので、静かさ重視の人は避けるのが無難。
- 木造アパートなら、足音や椅子の引き音を抑えるために、入居後にジョイントマット+ラグで床の防振をしておくとトラブルを防ぎやすくなります。
3. 中目黒(目黒区)|オシャレ×目黒川沿いの人気エリア
中目黒は、東急東横線と日比谷線が使える利便性の高さに、カフェ・セレクトショップ・飲食店の充実ぶりが加わった「憧れエリア」。目黒川沿いの桜シーズンには観光地レベルの人出になります。
中目黒の騒音・防音のポイント
- 駅近・目黒川沿い・山手通り沿いは、車・人・店舗設備の音が重なりやすく、静音性はどうしても下がりがち。
- タワーマンションや築浅マンションは、RC造+二重サッシなどで外部騒音はかなりカットされることが多い一方、室内の反響(声が響く)対策として吸音パネルや厚手カーテンがあると快適です。
- 飲食店の真上・隣接は、換気ファンやゴミ収集の音が早朝・深夜に発生するため、間取りと位置関係をしっかり確認しましょう。
4. 三軒茶屋(世田谷区)|都心近くの「ちょうどいい雑多さ」
三軒茶屋は、田園都市線と世田谷線が交差する人気の住宅エリア。駅周辺には飲食店・スーパー・カフェが集まりつつ、少し歩けば静かな住宅街に入れるバランスの良さが魅力です。
三軒茶屋での騒音チェック
- 国道246号沿いは、自動車・バイクの通行量が多く、深夜でも騒音レベルが高めになりがち。
- 駅周辺の繁華街側は、人の声+店舗のBGM+ゴミ収集車など、複数の音源が重なるため、防音サッシがないと窓を開けるのは難しいことも。
- 静かさ重視なら、駅から少し離れた世田谷通り側や裏手の住宅街で、RC造×中部屋の物件を探すのがおすすめです。
5. 北千住(足立区)|ターミナル駅+庶民派の住みやすさ
北千住は、JR常磐線・東京メトロ・東武線・つくばエクスプレスが集まるターミナル駅。駅ビルや商店街も充実しており、家賃は都心より抑えめで人気が高まっています。
北千住の騒音傾向
- 駅東口の飲み屋街は、深夜まで賑わいが続き、話し声・笑い声・店舗の片付け音が聞こえやすいエリア。
- 駅近&線路沿いは、電車音とアナウンス音が頻繁に入るため、窓を閉めていても気になる人もいます。
防音対策のコツ
- 静かな生活を優先するなら、西口側の住宅街や、駅徒歩10分前後の落ち着いたエリアを検討。
- 内見時には、窓を閉めた状態で「人の話し声」「車の音」「電車の音」がどのくらい聞こえるか、5分以上じっと耳を澄ませてみましょう。
- 足音が気になりそうな木造・軽量鉄骨の物件では、入居後すぐに床の防音マットやラグを敷き、早めに防振対策をしておくと安心です。
6. 恵比寿(渋谷区)|グルメ・ショッピング・オフィスが揃う憧れエリア
SUUMOなどの住みたい街ランキングでも毎年上位に入っている恵比寿は、山手線沿線でアクセス抜群。駅周辺には飲食店・カフェ・商業施設が集まり、「恵比寿ガーデンプレイス」方面は落ち着いた雰囲気の住宅街が広がります。
恵比寿の防音・静音ポイント
- 駅近・西口周辺は、深夜まで営業する飲食店が多く、話し声やタクシーのエンジン音が気になりやすい。
- 高架下・線路沿いの物件は、電車通過音+レールのきしみ音があるため、音に敏感な人は避けた方が無難。
- 恵比寿は家賃水準が高いため、防音性の高いRC造・二重サッシの物件も多め。広告の「防音」「二重サッシ」「遮音フローリング」などの記載は要チェックです。
7. 赤羽(北区)|ターミナル+下町感のある実力派
赤羽は、北区の中でもJR複数路線が乗り入れる交通の要所。飲み屋街や商店街が充実している一方、駅から少し離れると落ち着いた住宅街が広がり、「コスパのいい住みたい街」として人気が高まっています。
赤羽での騒音リスク
- 東口の飲み屋街は、夜遅くまで賑わうため、近隣物件では人の声・店舗音が聞こえやすい。
- 線路に近いほど電車音の影響が大きくなるため、線路からの距離と窓の向きを確認すると安心です。
静かに暮らしたい人へのアドバイス
- 西口側や少し歩いた高台の住宅街なら、都心に近いわりに静かな環境が手に入りやすいです。
- 室内の音漏れが心配なら、家具(本棚・クローゼット)を隣室と接する壁側に配置し、簡易的な「防音壁」として活用しましょう。
8. 下北沢(世田谷区)|音楽と古着の街で「暮らす」
下北沢は、古着屋・ライブハウス・小劇場が集まるカルチャーの街。再開発で駅周辺が整備され、商業施設に加えて歩きやすい広場も増えました。一方で、ライブハウスが多い分、音楽や人の出入りが多いエリアでもあります。
下北沢ならではの防音の考え方
- ライブハウスやバーの近くは、深夜まで音楽や話し声が聞こえることもあるので、物件の周辺にそうした店舗がないか、夜の時間帯にも歩いて確認するのがベスト。
- 地下物件は、外部騒音には強い反面、上階からの足音・椅子の音が響きやすいことがあるため、構造と天井の厚みを確認しましょう。
- 自分も楽器演奏をする場合は、「防音可」「楽器相談可」の条件付き物件を探し、入居後は吸音パネルやラグで室内の残響を抑えると、近隣への配慮につながります。
9. 豊洲(江東区)|湾岸タワマンとファミリーに人気の街
豊洲は、再開発によってタワーマンション・大型商業施設・公園が整備された湾岸エリア。ファミリー層からの支持も厚く、「住みたい街」ランキングでは新興エリア代表として名前が挙がることが多い街です。
豊洲の騒音傾向と防音のポイント
- 湾岸エリアならではの「風による建物のきしみ音」や、大型トラックが通る幹線道路の車両音が気になるケースがあります。
- タワーマンションは遮音性能が高いことが多いですが、上下階の生活音(椅子の引き音・物を落とす音)はゼロにはなりません。フローリングの上に防音マット+ラグを敷いておくと、生活音をかなり抑えられます。
- 海側の開けた眺望を重視するか、内陸側で静かさを重視するか、優先順位を決めて物件を絞るのがコツです。
10. 阿佐ヶ谷(杉並区)|静かな商店街と住宅街のバランスが絶妙
阿佐ヶ谷は、高円寺・荻窪に挟まれた中央線沿線の街。アーケード商店街「パールセンター」がありつつ、全体としては落ち着いた雰囲気で、ファミリーにも人気のエリアです。杉並区自体も、「治安の良さ」「家賃の手ごろさ」で高評価を得ています。
阿佐ヶ谷の防音視点
- 中央線の線路沿いは、電車音+高架の振動があるため、線路からの距離と階数を確認。
- 商店街の真上は、シャッターの開閉音・台車の音など、朝晩の生活音があることを理解したうえで選ぶとギャップが少ないです。
- 路地を1本入った住宅街なら、23区内としてはかなり静かな環境も狙えます。内見時は昼・夜・平日・休日で雰囲気が変わらないか確認できるとベストです。
人気エリアでも静かに暮らすための「防音・吸音」チェックリスト
ここからは、どの街を選ぶ場合でも役立つ「防音・吸音」の視点をご紹介します。
1. 建物構造と位置でできるだけ防音性能を稼ぐ
- 構造:木造<軽量鉄骨<RC造(鉄筋コンクリート)の順で遮音性が高い傾向。
- 階数:1階は上階からの足音、最上階は屋上機械や雨音が気になることがあります。
- 部屋の位置:角部屋は窓が増えて明るい反面、外部騒音の侵入口も増えます。静かさ重視なら中部屋+共用廊下側の窓が少ない間取りが有利です。
2. 窓・壁・床をそれぞれ別の対策で考える
- 窓(外からの音):二重サッシ・ペアガラスがあるかをチェック。無い場合でも、厚手カーテンや隙間テープで気密を高めると体感がかなり改善します。
- 壁(隣室との音):コンセントボックスが隣の部屋と背中合わせになっている位置は、音が抜けやすいポイント。吸音パネルや本棚を配置すると、声・テレビ音の通り道を弱められます。
- 床(足音・椅子の音):ジョイントマット+ラグの二重構造は、賃貸でも原状回復しやすく、床衝撃音を抑える定番テンプレです。
3. 「環境基準」を知っておくと騒音トラブルの判断材料になる
環境省の環境基準や東京都の条例では、住宅地の騒音レベルについて、昼間55〜60dB、夜間45〜50dBを目安とする基準が定められています。
- 「テレビの音を少し大きくすれば会話できる程度」がおおむね50〜60dB程度とされます。
- 幹線道路沿いは、特例として最大70dBまで許容されるケースもあり、立地によって「外の音がある程度するのは仕方ない」エリアも存在します。
「どこまでが許容範囲なのか」「管理会社に相談すべきレベルなのか」を判断するうえで、基準の存在を頭に入れておくと冷静に対処しやすくなります。
入居後にできる防音・吸音テク|賃貸でも原状回復と両立
人気エリアに住む以上、「完全な無音空間」は現実的ではありません。大切なのは、騒音を「ストレスになりにくいレベル」まで減らしつつ、退去時の原状回復も問題なくクリアできるバランスです。
1. 床の防音:足音・椅子の音を即効で静かに
- リビングやワークスペースの床に、ジョイントマット+ラグの二重構造を敷く。
- 椅子・テーブルの脚にはフェルトクッションを貼り、引きずり音を減らす。
- 洗濯機や冷蔵庫の下には防振ゴムや耐震ジェルを入れ、振動を階下に伝えにくくする。
2. 壁・天井の吸音:響きを抑えて「声の抜け」を軽減
- デスク周りやテレビの背面など、音源の正面・背面の壁に吸音パネルやフェルトパネルを貼る。
- カーテンは薄手+レースだけでなく、厚手&ヒダ多めの遮光・遮熱カーテンにすると、簡易的な吸音・遮音が期待できます。
- オンライン会議や配信が多い人は、マイクの正面にソフトな素材(布・フェルト)を配置すると、自分の声の反響が抑えられます。
3. 原状回復と防音DIYの線引き
- 壁にビス穴を大量に開ける、重い遮音シートを直貼りするなどは、退去時に高額な原状回復費用につながる恐れがあります。
- 「置き敷き・突っ張り・剥がせるテープ・ピン止め」など、やり直しがしやすい方法を基本にするのが安心です。
センタビ屋のブログでも、賃貸での防音と原状回復のバランスや、足音対策・吸音パネルの選び方などを詳しく解説しています。内見で街と部屋を選び、入居後は防音・吸音の工夫で「人気の街でも静かに暮らせる部屋」を育てていきましょう。
まとめ
東京23区の人気エリアは、「アクセス・買い物・街の楽しさ」が揃う一方で、人・車・店舗などさまざまな音が集まりやすい場所でもあります。中野・高円寺・中目黒・三軒茶屋・北千住・恵比寿・赤羽・下北沢・豊洲・阿佐ヶ谷といった「住みたい街」候補は、それぞれ魅力も騒音リスクも違うのがポイントです。街選びでは、ランキングだけでなく、幹線道路・線路・繁華街との距離を確認し、物件選びでは構造・窓・部屋位置をチェックすることが重要。入居後は、床の防振・壁の吸音・窓の気密アップなどの防音テクを組み合わせれば、人気の街でも「静かで心地いい部屋」をつくることができます。
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